11/28 3Dプリンタセミナー【報告】
私が副会長を務める3Dプリンタユーザー会の初のセミナーです。
「3Dプリンタと沖縄の未来」
主催:おきふぁ部スペース(3Dプリンター沖縄ユーザー会、NPO法人沖縄地域人財活性)
後援:ITコーディネータ沖縄、沖縄県中小企業家同友会情報部会「eおきなわ」
日時:2015年11月28日 14:00~16:30
場所: なは市民協働プラザ2F(旧那覇市銘苅庁舎)
〒900-0004那覇市銘苅2丁目3番1号
【講演】
- (1)『夢をかたちにしてみよう—21世紀を生きる私たちのDIY—』
玉盛順一朗(たまもりじゅんいちろう) 氏
工業デザイン・情報デザインの経験を活かし、主にアニメーション産業にて活動中。人と乗り物・機械との関わりを意識したメカニックデザイン、作画監修を行う。
代表作・参加作品:宇宙戦艦ヤマト2199、ヤマハ発動機短編アニメマスター・オブ・トルク、翠星のガルガンティア、スペース・ダンディ他 - (2)『3Dプリンタと最新IoTによる沖縄独自商品の開発と海外に向けた展開』
武田政樹(たけだまさき) 氏
(株)インタラクティブラボラトリー代表、(株)インタラクティブラボラトリー沖縄
会長。
川崎市とうるま市いちゅい具志川じんぶん館にて、システム、ソフトウェアアプリ開発、ICT、IoT開発を行う。沖縄でも屈指のIoT開発技術を持つ。 - (3)『キャズムを超える3Dプリンター』
牧山文彦(まきやまふみひこ) 氏
3Dプリンター沖縄ユーザー会、おきふぁ部スペース主宰。サイテクカレッジ那覇情報システム科専任講師、国際大学GLOCOM客員研究員。
3年前から、沖縄で3Dプリンターの交流グループである「おきふぁ部」をFaceBookにて始める。現在県内で3Dプリンターの普及活動を行い8月には3Dプリンター工房「おきふぁ部スペース」をオープンした。
※講演会後、おきふぁ部スペースにて3Dプリンターの見学相談会開催。
【ご報告】おきふぁ部スペースセミナー「3Dプリンターと沖縄の未来」は、40名近い参加者で盛会のうちに終了いたしました。
玉盛氏からは、デザイナーの立場で3Dプリンタ造形のコツ、デザインの考え方などが語られました。
玉盛氏の講演後に、マニア垂涎の「玉盛氏のサイン付きのヤマト2199冊子」争奪じゃんけん大会となり、うれしいプレゼントとなりました!(^^)!
武田氏からは、3Dプリンタを使ったシーサー型のクッキーカッター制作などの実践事例から、お土産品などの県内での内製化、3Dプリンタを活用した展望などが語られました。
最後に、3Dプリンタユーザー会の会長である牧山氏から、3Dプリンタ市場のライフサイクルにのっとった普及のあり方についての提言がありました。
- 現在は家庭用3Dプリンタの成長期は終わり、次の安定期までの間の衰退期にある。
- いわゆるンマニア層への浸透は終了し、一時のブームは終わった。マニア層は、自分でプリンタを組み立てたり3D-CADも使いこなし、自分で一からモノを作り出すスキルを持ったプロ、セミプロ層であり、いわゆるDIYを趣味としてたしなむ層である。
- 現在は、一部のマニア層のための利用から、新たな利用形態が求められる。
- 3Dプリンタが今後普及していくためには、上記マニア層から新たな層への展開が必要である。
- そこで注目されるキーワードが、「マスカスアマイゼーション」や「CIY」。
- マスカスタマイゼーションは、オリジナル製品を一から作るのではなく、半製品を手軽にユーザーがカスタマイズできる製法のことで、貴金属等のWEBサイトを中心にユーザーが広がっている。お客様が好みのデザインや金属の種類、ネーム等を、画面上で簡単に入力することができ、そのまま購入、あるいは3Dデータのダウンロードを行うことができる。
- こうした製造方法は様々な業界に広がりを見せ始め、オリジナルの3Dプリンタ・シューズ、インソール、眼鏡などが実用化されており、今後は、3Dプリンタ電気自動車やファッション等に普及する見込み。
- CIYは「Create it yourself」の略で、DIYがスクラッチ(一から)のモノづくりを意味するのに対し、独自の差別化、ちょっとした工夫やカスタマイズを指す概念で、これなら、3D-CADを一から覚えて操作する必要もなく、手軽にモノづくりに参加できるとして、これからのトレンドとされている。
- 3Dプリンタが今後、壁(キャズムという)を超えて普及するためには上記のような展開が必要になると提案されました。
来年1月22~23日に行われる「IT津梁まつり2016」では3Dプリンタユーザー会もミニカーづくりのワークショップを開催します。是非ご参加ください。
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